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Claude Designを使ってみた──資料作成の常識が変わる

記事日:2026-04-20時点の内容です。Claude Designの仕様・制限は将来変更される可能性があります。

この記事で学べること

この記事は、Claude Designを「資料作成の効率化ツール」として実際に使った私の所感をもとに、用途別の向き不向きトークン・週間制限下での現実的な使い分け基準をまとめた実用ガイドです。次のような判断材料が得られます。

  • pptx・HTMLのLP・画面設計(ワイヤー)という用途ごとに、Claude Designがどこまで使えるか
  • 「そのまま使える領域」と「Claude Code併用が必要な領域」の見分け方
  • トークン消費・週間制限を踏まえて、どの場面でどれだけ使うべきかの判断基準

対象読者は、資料作成に時間を取られがちなエンジニアや、デザインが不得手で叩き台づくりを効率化したい人です。「使ってみた感想」だけでなく、自分の案件で使うかどうかを判断するための材料として読んでもらえればと思います。


Claude Designとは

Claude Designは、Anthropicが提供する資料・デザイン生成に特化したClaudeの機能で、pptx・HTMLのLP・図表・提案書ドラフトなどを自然言語の指示だけで生成してくれます(対応形式や使い方の詳細は公式ドキュメントを参照)。本記事では機能の網羅的な説明よりも、実際に使って分かった用途ごとの実用性にフォーカスします。


用途別の実用性まとめ(先に結論)

細かい所感に入る前に、私が実際に使って感じた用途別の向き不向きを表にまとめます。詳細は後続のセクションで述べますが、まずはこの全体像を押さえておくと判断しやすいはずです。

用途 実用度 所感
HTMLのLP ◎◎ ほぼ完璧。叩き台はこれ一本で完結できる
pptx 7〜8割完成で出てくる。仕上げは人間が必要
画面設計(PDF出力前提のワイヤー) 単独だと厳しい。Claude Code併用が前提

特に印象的だったのが、9ページ分の画面設計をPDFで仕上げようとして詰まった経験です。HTMLベースの画面設計をPDF出力するとレイアウトが崩れ、Claude Codeに崩れた画面を見せて修正指示文を作ってもらう往復を4回ほど繰り返し、納得いくレベルにするまで2〜3時間かかりました。この実例は後半の「画面設計(ワイヤー)でハマった実例」で詳しく述べます。用途を見誤ると、効率化どころか時間を溶かしかねないというのが正直な実感です。


これまでの資料作成は何が辛かったか

Claude Codeは本来コード生成に特化したツールなので、正直なところ 資料作成は得意分野ではありませんでした

私自身、これまでClaude Codeで資料を作るために、次のような工夫をしてきました。

  • 資料構成を Markdownで先に書き出す
  • python-pptxで生成するための 長大なスクリプト雛形 を用意する
  • フォント・レイアウト・色のルールを CLAUDE.mdに事細かに書き込む
  • 「ここをはみ出さないで」「このフォントは使わないで」と毎回細かく指示する

それでも生成されたpptxは、テキストボックスの位置がずれていたり、文字がはみ出していたり、フォントが簡体字になっていたり と、微調整が必要なことが多々ありました。

「AIで資料作成を効率化する」というより、AIが作ったものを人間が修正するコストのほうが大きい というのが実情だった気がします。


Claude Designで何が変わったか

Claude Designを使って最初に驚いたのは、こちらから細かく指示しなくても、それなりに見られる資料が出てくる という点です。

使い方も拍子抜けするほど簡単で、たとえばこんな感じの依頼を投げるだけでいい。

Claude Designの導入資料を作って

するとClaude側が勝手に プランモードに入って、以下のような方向性を確認してきます。

  • 想定読者は誰か(経営層向け・技術者向けなど)
  • スライド枚数の目安
  • トーン(フォーマル・カジュアル)
  • 特に強調したいポイント
  • デザインの雰囲気(シンプル・モダン・カラフルなど)

こちらは選択肢に答えていくだけで、あとは自動で資料ができあがっていきます

これまで自分で「表紙のレイアウトはこう、本文スライドはこう、フッターはこう」と指示していた部分が、すべてClaude側で勝手に組み立てられる ようになりました。指示するより前に、向こうから必要な情報を取りに来てくれるイメージです。


pptxの出来栄え:まだ100%ではないが十分実用的

正直なところ、pptxの生成はまだ「完璧」ではありません。

  • 一部のスライドで余白が気になる
  • 強調したい箇所のデザインがあっさりしている
  • 図表のレイアウトは人間が微調整したほうが良い場面もある

ただし、これは「そのまま社外に出せるか」という視点での評価であって、ゼロから作り始めるよりは圧倒的に早い。

私の感覚では、7〜8割は完成した状態で出てくる ので、あとは細かい調整をすればプレゼンで使えるレベルになります。これまでのように「ほぼ全スライドで位置調整が必要」という状態からは抜け出せました。

会社共通ルールの遵守率が上がった

特に助かったのは、会社共通ルール(フォントサイズ、余白、ページ番号の位置など)の遵守率が上がったことです。以前はスライド1枚ずつ崩れをチェックしていたのが、ざっと見て問題ないかを確認する作業に変わりました。レイアウト規約を細かく守らせる手間が減ったのは、地味ですが効いてくるポイントでした。


HTMLのLPはほぼ完璧

一方で、HTMLのランディングページは本当に綺麗に仕上がります

Claude Designに「サービス紹介のLPを作って」と依頼すると、以下がいい感じに整った状態で出力されます。

  • ヒーローセクション(大きな見出し + CTAボタン)
  • 特徴紹介(3カラムのカード)
  • 料金プラン表
  • よくある質問(アコーディオン)
  • フッター

余白、タイポグラフィ、色のバランス——どれをとっても「それらしいLP」になっていて、正直これまで紹介してきた OSSのテンプレートやGoogle Stitchが不要になるかも と思わされるレベルです。

少なくとも「最初の叩き台を作る」段階では、Claude Design一本で完結できる印象があります。


画面設計(ワイヤー)でハマった実例

pptxとHTML/LPは「7〜8割の完成度で出てくる → そのまま使える」パターンが多いのですが、画面設計(ワイヤーフレーム)をHTML/PDFで作る用途では、そう簡単にはいきませんでした

9ページ分の画面設計をClaude Designで作り、PDF出力にした時のレイアウト崩れを修正する工程で詰まりました。具体的にやった手順は以下。

  1. Claude Designに要件を投げて、HTMLベースの画面設計を生成する
  2. PDF出力すると、特定のコンポーネントが2ページにまたがって崩れる・表のセル幅が想定と違う・余白が不統一、といった問題が発生
  3. 崩れたPDFのスクリーンショットをClaude Codeに投げて、「この崩れを直すためのClaude Designへの指示文」を作ってもらう
  4. 生成された修正プロンプトをClaude Designに再投入
  5. 2〜4を繰り返す

結果、この往復を合計4回ほど行い、9ページ分のPDFを納得いくレベルに整えるまでに2〜3時間かかりました。

なぜ直接Claude Designで修正できなかったか

Claude Designは画面を見せながら対話できない(テキストベースの指示しか受け付けない)ため、「ここのこの部分がこう崩れている」という指摘を言葉だけで正確に伝えるのが難しいのです。Claude Codeに崩れた画面のスクリーンショットを見せる → 修正指示文を作ってもらう、というワンクッションを入れることで、視覚的な情報を言語化する部分をAIに任せられるようになりました。

補足:HTMLとPDFでレイアウト再現性が異なる理由

一般論として、HTMLとPDFではレイアウトの再現性の前提が異なります。HTMLはブラウザの表示領域に合わせて要素が伸縮・折り返しされる「フロー型」の仕組みなので、多少コンテンツ量が変わっても破綻しにくく、生成AIにとっても自由度が高い領域です。一方PDFはページサイズが固定で、印刷用の改ページ(ページ分割)を伴うため、要素が境界をまたぐと崩れやすくなります。HTMLで綺麗に見えていたものがPDF化で崩れるのは、こうした出力モデルの違いが背景にあると考えると理解しやすいでしょう。LPがほぼ完璧に出る一方で、PDF前提の画面設計で苦労したのも、この差が効いている可能性があります。

学び

  • pptxとHTMLのLPはClaude Designが得意。ほぼそのまま出してくれる
  • PDF出力前提の資料や、厳密なレイアウトを要求する画面設計は、Claude Designだけでは完結しづらい
  • その場合はClaude Code(視覚理解) + Claude Design(生成)の組み合わせで対応するのが実用的
  • 完全な自動化は難しいが、手で調整するより速い

費用感:既存プラン加入者には良心的

Claude Designは、既にClaudeのプランに加入している人であれば追加費用なしで利用できます

これは個人的に大きなポイントです。資料作成やデザイン生成のために別サービスを契約する必要がなく、今使っているClaude Proの枠内で試せる

  • 別途サブスクを増やす必要がない
  • 個別の従量課金が発生しない
  • 検証コストがほぼゼロ

「ちょっと試してみよう」と気軽に手を出せる価格設計は、既存ユーザーに優しいと感じました。


注意点:トークン消費は激しい

ただし、手放しで絶賛できないポイントもあります。それが トークン消費の激しさ です。

Claude Designは コード生成よりも遥かに早くトークンを消費します

体感としては、

  • 1本のpptxを作るだけで、数時間分の開発セッションに相当するトークンを消費する
  • LP1ページの生成でも、それなりの消費量になる
  • 作り直しや修正指示をするたびに、じわじわと残量が減っていく

私はClaude Codeで開発もしているので、1日で両方使うとあっという間に枠を食い尽くす ことがありました。

「気軽に試せる」と書いたばかりですが、過信は禁物 です。特に重要な案件でたくさん使いたいときは、残りトークンを意識しながら使う必要があります。


週間制限はシビアに感じる

Claudeプランには 週間のトークン制限 があります。

これまでコード生成中心で使っていたときはあまり意識したことがなかったのですが、Claude Designを使い始めてからは「思ったより早く上限に近づく」ことを実感しました。

特に次のようなケースでは要注意です。

  • 営業資料を一気に何本も作りたい
  • デザインの方向性を比較するために複数パターン生成したい
  • 修正指示を何度も繰り返す

週の途中で「今週はもう使えない」と気づくと、結構ショックです。

とはいえ、以前はそもそもできなかったことができるようになった という事実は変わりません。「上限が厳しい」と不満を感じるのは、「できる前提」で話をしているから。この贅沢な悩みこそが、Claude Designのインパクトを物語っている気もします。

なお、一度 Claude側の不具合補填として週間制限がリセットされたことがあり、そのタイミングはあまり気にせず使えました。このためトータルでどの程度の制限かを正確に把握できていない部分もあります。通常時は上に書いたとおり「思ったより早く上限に近づく」感覚でした。


使ってみて感じたこと

Claude Designは、Claudeの用途を一段広げた機能 だと感じました。

これまでは「コード生成はClaude、資料作成はPowerPointやCanva」と役割分担していたのが、資料作成までClaudeで完結できる可能性が出てきた。特にLPの生成精度は、私のようにデザインが不得手なエンジニアには大きな武器になります。

一方で、消費リソースが大きい ため、使い所は選びたいところです。

  • 重要な資料のドラフト生成 → 価値が高い
  • 軽い提案書のたたき台 → 使い過ぎるとトークンを食う
  • LPのプロトタイプ → コスパが非常に良い
  • pptxの清書 → まだ人間の仕上げが必要

こういった 使い分けの感覚 を持っておくと、Claude Designの恩恵を最大化できそうです。

制限下での運用おすすめ(読者向け)

上で書いた所感を踏まえると、トークン消費・週間制限のある環境では、次のような使い方をするとよいと思います(あくまで私の使用感から導いた推奨であって、厳密に計測した数値ではありません)。

  • 営業資料を一気に大量生成するのは控える。週間制限に早く到達しやすく、途中で打ち切られると痛い
  • LPは1案件1ページ+修正1〜2回を目安に絞る。叩き台づくりに最も向いており、コスパが良い領域なので、ここに枠を回すのが合理的
  • pptxは7〜8割で出して人間が仕上げる前提で頼む。清書まで何度もやり直すとトークンを食う
  • 画面設計などPDF前提の用途は、最初からClaude Code併用を計画に入れる。単独で粘ると往復が増えてトークンと時間を消費する
  • Claude Codeでの開発と同じ日に併用すると枠を一気に消費するため、残量を意識して使う日を分ける

要は「自由度が高くコスパの良いLP・叩き台にリソースを寄せ、消費の重い使い方は意識的に絞る」という配分が、制限下では現実的だと感じています。


この記事の位置づけ(棲み分け)

本記事は、Claude Designをどの用途でどこまで使うかを判断するためのガイドに内容を絞っています。Claude CodeとClaude Designを組み合わせて崩れを直す具体的な手順(スクリーンショットからの修正プロンプト生成の流れなど)は、踏み込むと分量が大きくなるため別記事で扱う想定です。本記事では「用途を見極める」ところまでを担い、連携の実装手順とは役割を分けています。


まとめ

Claude Designを使ってみての率直な感想は、こうです。

  • pptxの精度はかなり改善。ただしまだ人間の微調整は必要(7〜8割完成)
  • HTMLのLP生成はほぼ完璧。OSSテンプレートやGoogle Stitchが不要になる可能性もある
  • 使い方は極めてシンプル。依頼文を投げるとプランモードで方向性を確認してくれる
  • 既存のClaudeプラン加入者には追加費用なし、コスパは良心的
  • トークン消費は激しい。コード生成より早く枠を食う
  • 週間制限はシビア。使いすぎると途中で上限に達する

それでも、「これまでできなかったことができるようになった」という事実は大きい。資料作成に時間を取られがちな人、デザインが苦手なエンジニアこそ、一度試してみる価値があると思います。

過信はせず、ここぞという場面で使う——そんな付き合い方ができれば、Claude Designはかなり頼もしい相棒になってくれそうです。